381. 贔屓の引き倒し〈ひいきのひきだおし)

=   甲張り強くして家押し倒す(こうばりつよくしていえおしたおす)

   愛之適足以害之

意味:贔屓しすぎると、かえってその人のためにならないということ。家が傾いたりするのを防ぐためにあてがった材木を強くしすぎて、家を倒すことから、良かれと思ってしたことが、かえって相手をだめにしてしまうことのたとえ。「甲張り」は、家などが傾いたり倒れたりするのを防ぐためにあてがう材木。 

 

382. 引かれ者の小唄〈ひかれもののこうた)

   故作鎮定;逞強嘴硬

意味:刑場へ引かれて行く罪人が、平気を装い小唄をうたう意。負け惜しみで強がりを言うことのたとえ。

 

383. 庇を貸して母屋を取られる〈ひさしをかしておもやをとられる)

=   軒を貸して母屋を取られる〈のきをかしておもやをとられる)

   喧賓奪主

意味:一部を貸しただけなのに、やがて全部をとられてしまうことのたとえ。また、恩を仇で返されるたとえ。

 

384. 左団扇で暮らす〈ひだりうちわでくらす)

   安閒度日;無所事事

意味:利き手でない左手に持った団扇をあおぎながら、のんびり暮らすこと。転じて、安楽に暮らすことのたとえ。

 

385. 必要は発明の母〈ひつようははつめいのはは〉

需要是發明之母

意味:発明は必要から生まれる。

 

386. 一筋縄で行かぬ〈ひとすじなわでゆかぬ)

   江郎才盡〈喻用盡一切方法都解決不了〉

意味:普通の方法では処理できないたとえ。

 

387. 一つ穴の狢〈ひとつあなのむじな〉

=   同じ穴の狢〈おなじあなのむじな〉

=   同じ穴の狐〈おなじあなのきつね〉

=   同じ穴の狸〈おなじあなのたぬき〉

  一丘之貉 ※與87題同義

意味:一見無関係のようにみえて、実は同類・仲間であることのたとえ。普通、悪者についていう。

 

388. 馬には乗ってみよ人には添うてみよ〈うまにはのってみよひとにはそうてみよ)

   路遙知馬力;日久見人心

意味:物事はまず実際に経験してからよしあしを判断せよということ。馬のよしあしは乗ってみなければわからず、人柄のよしあしはつきあってみなければわからないことから転じたことわざ。 

 

389. 人の噂も七十五日〈ひとのうわさもしちじゅうごにち)

   謠言止於智者〈喻不真實的事,終有水落石出的一天〉

意味:世間の噂は一時のことで、しばらくすれば忘れられるものであるということ。

 

390. 人の口に戸は立てられぬ〈ひとのくちにとはたてられぬ〉

   人言可畏

意味:家の扉と違い、人の口は閉めておけないということから、世間の噂や評判は防ぎようがないということ。

 

391. 人のふり見て我がふり直せ〈ひとのふりみてわがふりなおせ)

=   人こそ人の鏡〈ひとこそひとのかがみ〉

=   人の上見て我が身を思え〈ひとのうえみてわがみをおもえ〉

   以古為鑑,以人為鏡

意味:他人の言動を見て、自分の行いを反省し、改めよということ。

 

392. 人の褌で相撲をとる〈ひとのふんどしですもうをとる)

借花獻佛

意味:他人の物を使って自分の役に立てることのたとえ。

 

393. 人は一代名は末代〈ひとはいちだいなはまつだい)

=   身は一代名は末代〈みはいちだいなはまつだい〉

=   骨は朽ちても名は朽ちぬ〈ほねはくちてもめいはくちぬ〉

   名垂千古

意味:人の肉体は一代で滅びるが、その名はよいにつけ悪いにつけ末永く後世に残る。

 

394. 人は見かけによらぬもの〈ひとはみかけによらぬもの)

人不可貌相

意味:人の性質や能力は、外見からは判断できないものだということ。

 

395. 一目惚れ〈ひとめぼれ〉

   一見鍾情

意味:一目見ただけで心をひかれること。

 

396. 一人相撲〈ひとりずもう〉

   唱獨角戲

意味:二人で相撲をとっているような所作を一人でしてみせること。また、その芸。神事・大道芸として行われた。相手がないのに自分だけで気負い込むこと。また、実りのない物事に必死で取り組むこと。

 

397. 人を食う〈ひとをくう〉

   愚弄

意味:相手をばかにしたような言動をする。

 

398. 人を呪わば穴二つ〈ひとをのろわばあなふたつ〉

   害人反害己;自作自受

意味:他人を呪い殺そうとして墓穴を掘れば、その報いで死ぬ自分用の墓穴も必要になる。人を陥れようとすれば、やがては自分にもそれが返ってくるということ。

 

399. 人を見たら泥棒と思え〈ひとをみたらどろぼうとおもえ〉

  防人之心不可無

意味:人を軽しく信用してはいけない。まず疑ってかかれということ。

 

400. 人を見て法を説けひとをみてほうをとけ‧にんをみてほうをとけ〉

   見人說人話;見鬼說鬼話

意味:釈迦が相手の能力や人柄に応じて、仏の道を説明した事から、人を説得する時は、相手の人柄や能力を見て、その人にあった方法で話をすべきだということ。

 

 

 

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